トイトレを科学的なアプローチから考える。うちの子に合った「ほめ言葉」を見つけると、トイトレがスムーズに進む【ママ泌尿器科医】

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男の子と女の子2人のママであり、泌尿器科医である岡田百合香先生の連載。今回から3回連続で、「応用行動分析で考えるトイレトレーニング」の話をお届けします。「応用行動分析」とは行動の変化を促すために科学的なアプローチをすること。療育の現場などで多く使われているそうです。「お母さん・お父さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#57です。
トイトレとは、「新しい行動を身につけさせる」こと
最近、特別支援教育に関心をもって勉強会に参加しているのですが、その中で出会ったのが「応用行動分析」の考え方。「これは、トイレトレーニング(以下、トイトレ)に役立つぞ・・・!」とひらめき、皆さんにもぜひ紹介したいと思いました。
今回から3回、勉強会の講師であり特別支援学校で教員をしている亀田准季先生との対談形式でお送りします。
岡田 亀田先生、よろしくお願いします。
亀田 お願いします。私は普段、特別支援学校で知的障害のある子どもの教育をしています。その中で、子どもの行動の背景を探ったり、新しい行動を身に着けさせたりする際に「応用行動分析」を使っています。
岡田 トイトレはまさに「新しい行動を身に着けさせる」ことですね。
亀田 はい。トイトレは一定期間をかけて取り組む“親子での挑戦”です。挑戦の前に、応用行動分析の考え方を使って、いくつかの“作戦”を立てることが大切です。
岡田 どうして事前に「作戦」が必要なのでしょうか。
亀田 お子さんは「トイレで排泄をする」という新しい習慣づくりに取り組むことになりますが、その動機は必ずしも「子ども自身がやりたいから」ではなく、大人側の都合がメインである場合も少なくありません。
そのため、子どもにとってはママやパパ、周囲の大人の励ましやほめ言葉がとても重要なモチベーションになります。思うように進まない時期や親があせったりイライラしてしまうようなタイミングでも「ほめ続け」るためには作戦が必要です。