「ああ、実に困ったことだ」小児科医の嘆き。繰り返されるワクチンの供給停滞。接種率の低下によって心配されること【小児科医】

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「子どもたちの定期接種に使われるワクチンですが、思わぬことで供給が不安定になることがあり、最近は、毎年のようにその状況になっていて、じれったい」と太田文夫先生は言います。「小児科医・太田先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」連載の#49は、ワクチン不足が続くと何が起きるのか、についてです。
いったんワクチンの供給が停滞すると、接種率が低下し、戻るのに長期間かかる!
子どもたちの定期接種に使われるワクチンは、接種対象者数はわかっているので計画的に生産されます。しかし、思わぬことで供給が不安定になることがあります。
2021年に日本脳炎ワクチンの供給が停滞しました。しかも停滞が約1年に及んだ結果、千葉市では、接種率は半減。翌年供給不足は解消されたものの、以前の高い接種率に戻るのにそれから1年以上かかったことを思い出します。いったん供給に支障が出ると、長期間悪影響が出てしまうんです。
現在は、MR(麻疹・風疹混合)ワクチン、おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンの2種類のワクチンが供給不足になっています。今回は、ワクチン不足で困っている小児科医のぐちをお伝えしたいと思います。